令和4年5月25日(水) |
ロシアのウクライナ侵攻に伴う、わが国の国防! |
河野克俊先生
前統合幕僚長・海将
ウクライナ侵攻を見ると、目的の不明確、戦力の逐次投入、根拠のない楽観という軍隊のやってはいけない失敗をしていることがわかる。軍隊の士気の低さがウクライナ軍の抵抗と相まって長期化につながっている。KGB出身のプーチンは、軍隊を信用しておらず、戦争は人間がするものだということが分かっていないために、指示が曖昧になり、士気が下がる。
ロシアが核兵器使用をほのめかしたことにより、第二次世界大戦以後の国際秩序は崩壊し、自衛のための核保有に正当性を与える契機となってしまった。北朝鮮に対しても今後は核保有国として対処しなければならない。北朝鮮のような国に経済制裁をしても効き目は無い。軍事攻撃の可能性を示唆する方が効果はある。
米中対立によって、日本はその最前線に立つことになった。敵基地攻撃能力を持つことに国民の反対の声は少なくなってきた。イージスアショアもあのまま行っていれば来年には完成しただけに残念だ。
NATOが行っているに核シェアリングを参考にするのも一つの手だ。専守防衛では、攻撃を受けてから対応するということで、核の傘に入っているということは、反撃するかどうかをアメリカの判断に委ねるということを意味する。これまでの日本の防衛戦略を見直すとともに、憲法改正も待ったなしのところまで来ているといっていいだろう。
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