令和5年6月21日(水) |
どうなるウクライナ戦争! |
名越健郎先生
拓殖大学特任教授
ウクライナが反転攻勢を開始したとされるが、6月4日からの2週間で0.1%の領土しか取り戻せていない。守りに徹したらロシア軍は強い。だが、ロシアが勝利すれば、中国・ロシアという帝国主義・権威主義的志向の国が中心となり、国際秩序は崩壊する。よって、具体的な停戦の落としどころとしては、ウクライナがNATOに加盟し、これ以上のウクライナ領侵攻を認めない代わりに、現在ロシアが進行している東部四州の併合を認めるというものである。ゼレンスキーは簡単には承諾しないだろうが、ウクライナ軍の実力からして、自力で領土を取り返すのもむずかしい
。
プーチンは来年大統領選挙を控えているが、再選の可能性は半々と私は見ている。国際刑事裁判所から指名手配されているので、外交ができない。外交が出来ないうちに、米中接近の動きがある。台湾問題を見越して、戦争回避のための話し合いだろうが、ロシアにとっては最大の後ろ盾を失うことになる。国内の治安も悪化している。支持率は70%台といえども、内政も外交も八方塞がりである。
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