令和2年10月21日(水) |
共和か民主か米大統領選挙は? |
浅海 保先生
読売新聞社東京本社元編集局長兼副主筆、
日本の報道は基本的に中立的だが、アメリカでは大手報道も民主か共和か、その政党色が明確である。いま、民主の立場の報道を紹介すると、トランプは、 ①これまでのアメリカを打ち壊している。 ②自分が所有するホテルやゴルフ場を議会関係者や外国人との会議に使用し、その利ザヤで借金を返している等々大統領の地位を不当利用している。③トランプ政権で要職についた人物の91%が辞任・交代している。 ④コロナウイルスについてもマスク不要と公言し、20万人ものアメリカ人が亡くなっている事実の責任は免れない等々、をはじめ多くの民主党側からの報道がある。
他方、共和党側からの報道としては、 ①オバマ時代に貧富の格差が広がり、 資本主義より社会主義に好感を持つ国民が増え、民主党政権になると革命が起きアメリカも共産主義化する。 ②相手のバイデン候補も急進左派のサンダースよりはよいとして候補に選ばれたにすぎない。③ともかく、アメリカ国民は、現状を打破する強い力を求めている。 それには、トランプ氏のような個性の強い人材が必要であり、トランプ氏には根強い確たる支持者がついている。 ④バイデンは先日の討論会でも動きがのろく、強い大統領という点で、トランプが有利である。と共和党側は支持する。
浅海保先生は、そうしたアメリカ国内の情勢を分析したのち、 ご自身の見解として、現在の世論調査では10%近くバイデン有利とされているが、4年前の大統領選挙で、トランプが逆転勝利しており、今回も予断を許さない。
しかし、今回いずれが勝っても、アメリカ国民に遺恨が残ると思われ、 下手すると暴動・内乱がおこることを心配している。また、外交など国際関係も厳しい局面で、日本が民主主義の旗ふり役になることも難しいだろうとされ、その分析力に感銘を受けました。(清原記)
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