平成18年5月16日(火) |
これでよいのか、日本の食糧・農業政策 |
本間正義先生
東京大学大学院教授・農学生命科学研究所
いま、我が国の食糧自給率は40%にまで落ち込んでおります。あとの60%は海外からの輸入に頼っているわけです。現在、日本を取り巻く国際環境はまずまず平穏で、日本経済も回復傾向にあるので、食料自給率が低くてもそれほど心配ないとも言えますが、東アジアにおける国際情勢がこの先どうなるか、また、それに伴って、日本経済もどうなるか分かりません。そうした有事の事態を考えると、日本の食糧政策はこれでよ
いのか、心配です。
また、日本の農業・漁業・林業は、海外から安い生産物が輸入されることに加えて、従事する方々が60歳を超える高齢者が多く、この分野の構造改革をどうするかも、我が国の大きな課題です。そうしたこともあり、今回は、こうした食糧・農業問題に警鐘を鳴らしておられます本間正義東京大学大学院教授に御講話をいただきます。
その内容は、先年からWTO農業交渉が行われているが、食料品に対する関税引き下げは避けられず、したがって、日本も農業規模の大幅な方針転換を迫られている。國は、農業経営効率化をはかるため、一定面積以上の規模を持つ「農業の担い手」となれる農家も、対象から外れる農家にも、いろいろの問題があるとして、詳しく解説されましたので、その問題点がよく分かり、今後も検討を続けることになりました。