平成24年2月13日(月)

為替市場を動かすヘッジファンドの戦略!

今井澂先生

今井澂先生

(財)年金シニアプラン総合研究機構理事、元日債銀顧問

講話概要

 日本は財政赤字が1000兆円を越し世界一の借金国であるのに、なぜ世界の投資家から円が買われるのか、誰が円を買うのか、そうした国際為替相場を誰が動かしているのか、疑問にお答えいただくため、この分野の権威・今井澂(きよし)先生・(財)年金シニアプラン総合研究機構理事、元日債銀顧問に『為替市場を動かすヘッジファンドの戦略』と題し、御講話をいただきました。今井先生はまず、「ヘッジ」とは、垣根の意味で、リスクを減少させるため、売りと買いのポジションを同時にとる手法で、『フォーチュン』誌のA・W・ジョーンズが、相場が上がっても下がっても、いつも儲かるとして始めた。この方式で巨額の資金を動かすヘッジファンドで特に有名なのはジョージ・ソロスである。ヘッジファンドと言っても必ずしも一枚岩ではないが、現在のところ、ユーロ売りでは一致している。それは、EU諸国の国債が売られれば、結果としてアメリカ国債が買われ、アメリカの国益になるからである。ところで、なぜ円が買われるのか。それは、いま対外純債権国で変動為替相場制の国際通貨は、スイスフランと日本円だが、スイスはヘッジファンドの買いに対して、断固戦うと宣言したので、したがって、日本の円が対象に残ったというわけだ。
 国内外で、円はこのまま対ドル50円となるとの説もあるが、私は、ヘッジファンドはこれから円を売るので円安になると思う。その理由は、アメリカは、最近、国内に大量に埋蔵されているシェールオイルガスの開発に成功したこと、若い労働力が増加する人口構成が見込まれるからだ。日本は現在、そうしたエネルギー資源の開発が無く、ますます高齢社会となる。彼らが日本に魅力を感じるには、日本も新エネルギーの開発に成功する位のことが必要である。  

■今井澂先生先生の講話(姉妹団体の(公財)協和協会での月例会)
・恐慌化する世界、日本はどう進むべきか!(平成29年6月29日)
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