平成24年6月8日(金)

日本を糺す! ── 教育を糺す、生活を糺す、政治を糺す、足許を糺す ──

久保田信之先生

久保田信之先生

教育哲学者・修学院〔李登輝学校〕院長、元学習院女子大学教授

講話概要

 まず、明治維新によって、欧米文化が入り、その仲間入りをするために先進国並みに憲法を創るに当たり、時の為政者は悩んだ。それは、欧米は個人が出発点となるキリスト教思想であるが、日本文化はそうではないからだ。それで、大日本帝国憲法施行と同時に教育勅語が発布された。教育勅語は、いまの人々は上から押しつけたものと解しているが、そうではない。その最後には「朕爾臣民ト具ニ拳々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ」とある。すなわち、「天皇もあなた方臣民と共にこれらを心に銘記し守っていき、皆一致してその徳の道を歩んでいくことをこい願っている」と、天皇も共に考え歩んでいきたい、とされていることに、着目すべきである。
 たしかに、「個」の考えを進めてゆくと、それは、「国家」を否定することになる。また、「基本的人権」といわれるとただ従わざるをえない。しかし、日本の武士道は「考え尽くす」ことを求めている。1972年に、日中国交が回復すると同時に日台国交断絶となった。これを憂えた私は岸信介元総理にお会いした結果、日本と台湾の学者の交流が始まり、その縁で、私は李登輝先生との交流を深めた。李登輝先生は、日本の武士道や思想をよく理解されていた。
 それ以来、私は李登輝先生に心酔し、修学院〔李登輝学校〕の院長を務めている。武士道の神髄は、自己に固執することなく、また、単に勝ち負けではなく、お互いに切磋琢磨して、相手を尊重し自己を磨くことである、と説かれ、その後の質疑応答も盛んでした。

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