平成27年12月8日(火) |
保守合同とその功罪! |
高橋利行先生
政治評論家、元読売新聞解説部長・新聞監査委員長・編集局次長
敗戦後十年間は、戦後処理に追われ政治が安定しない時代だった。そして、社会党の左右統一によって危機感を覚えた緒方竹虎・三木武吉という傑物によって、保守合同が実現、自由民主党が誕生した。それは、冷戦構造の中で対米協調を強め、自由主義陣営に立つという現実的な選択をしたことであって、結果的には今日の経済発展に導き、ソ連からの侵攻も起こらずにすんだこととなった。55年体制下では、おおむね軽武装・経済重視・自由主義・親米路線であった。吉田路線と岸路線のどちらが保守本流か、といわれることがあるが、経済重視や憲法改正志向への違いはあれど、日米関係が基軸にあることについては大差がない。こうした功績のあった保守合同であったが、その陰で、政権担当能力のある野党が育たなかった、政治の腐敗、憲法改正に手がつけられなかった、等の問題点もあった。今後の政治に期待することは、安倍総理の路線を維持し、理念を大事にして行くということだ。安倍総理は政治の質を変え、理念を説いている。世襲制はある程度抑制する必要があるし、小選挙区制は問題が多いので中選挙区に戻すべきであって、最低でも比例復活は廃止すべきだ。一方で、教育機関としての派閥は必要性を感ずる。これからも日米関係重視路線は続くであろう。国連中心主義を軸に据える人もいるが、アメリカと国連の折り合いがよいともいえないので、日米関係が今後も軸になるだろう。
●ご案内状(pdf)
■高橋敏行先生の講話(姉妹団体の(公財)協和協会での月例会)
・都民ファーストという時限爆弾!(平成29年4月20日)
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・トランプ氏勝利に伴う緊急月例会(平成28年11月17日)
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・最近の政治状況について分析し解説する(平成26年10月30日)
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・都議選の結果、それに続く参院選選挙とその後の政局(平成25年6月26日)
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・衆議院総選挙の展望と今後の日本の行方(平成24年12月13日)
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