平成28年2月5日(金)

中国の現状分析と日本の対応のあり方!
──厄介な隣国にどう向き合うか──

茅原郁生先生

茅原郁生先生

中国研究家・拓殖大学名誉教授、元同教授・陸将補・防衛研究所部長

講話概要

 中国は、南シナ海で7つの岩礁を埋立て、飛行場や港湾も建設し基地化している。中国の主張は、オバマ政権のリバランス政策によって海洋安全保障が脅かされたため、岩礁埋立等によって島の主権や海洋権益を守るというもの。アメリカが強い抗議を行っていないため、高をくくって開発を続けている。
 そもそも中国人は、自分たちより軍事力がある国が存在する限り安心できないという気質がある。世界2位のGDPを背景に、毎年前年比2ケタ台の軍事費を増強している。一方で、共産党一党独裁体制の金属疲労、経済成長の終焉、少子高齢化、環境破壊などの弱点も抱えている。今後のシナリオとして、中国主導で国際秩序づくりを行い、従わないものは、軍事力で威圧することが考えられる一方、体制が崩壊すれば多数の難民が日本に押し寄せる恐れがある。
 こうした中国に日本はどう立ち向かっていくべきか。アメリカが世界の警察官を降りつつあり、守ってもらえる時代は終わった。日米同盟の強化はもちろん、韓・印・豪・ASEANとの共同安全保障政策が重要だ。その意味で、安倍内閣が昨年成立させた安全保障法制は戦略として正しい。日本の防衛体制強化とともに、中国を国際協調路線に誘導する硬軟両面の対応が求められる。
ご案内状(pdf)

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