平成14年11月1日(金)

イスラム世界と国際政治情勢
――アメリカ、イラクもし戦えば――

松本健一先生

松本健一先生

 麗澤大学教授・作家・評論家


講話概要

 御承知のように、アメリカのブッシュ大統領は、今春、イラク、イラン、北朝鮮の三国を「悪の枢軸」と呼び、現在では、アメリカ上下両院にイラク攻撃の了承を取り付け、国連にもその承認を求めております。イラクも、先の国民投票でフセイン大統領が圧倒的支持を獲得、囚人をも解放して、アメリカとの戦争を辞さず、との意思を表明しております。
 いまや、アメリカとイラクは一触即発の状況にあります。しかし、私どもは、その場合、国際社会、特にイスラム世界がどう反応するか、それによっては、世界大乱にもなりかねない、と心配しております。そうした折でもあり、イスラム問題にも詳しい松本健一麗澤大学教授をお招きし、御解説をいただきました。
 松本先生は、思想史・精神史が御専門ですが、その観点からイスラム思想・文化も研究しておられる、数少ないイスラム研究家でいらっしゃいます。それだけに、例えば、欧米・アジアは農耕など土地への定住が基本だが、イスラムは砂漠地帯にて広範囲の遊牧・隊商で生活してきただけに、考え方が根本から異なること、などを説明され、私どもは、世の中の事象は、表面に現れた現象を分析して論ずるのではなく、松本先生のように、精神・文化面にまで掘り下げて勉強しないと、深層には迫れないのだなァ、と痛感しました。参加者一同、松本先生の名講義に、熱心に聞き入りました。

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