平成21年7月9日(木) |
日本再生への大戦略! |
天児彗先生
早稲田大学大学院・アジア太平洋研究科教授
日本は、少子高齢化、教育水準の低下、農林漁業をはじめ地方経済の衰退などからしても、構造的に危機に陥っている。この構造的危機から脱するには、発想を転換し、長期の大戦略を立てなければならない。中国は、かつて貧しく、伝統に固執し、人材や資金も無かったのに、いま、世界第二の経済大国となろうとしている。それは、ケ小平が、権力闘争に敗れて2度も失脚したが、1977年に復活し、政治優先から経済優先へと国の方針を大転換した、という大戦略政策にある。
日本も今こそ再生の長期戦略を立てる必要がある。民族絶滅に向かう少子化には、女性を支援する思い切った政策をとるべきであり、高齢化対策としては、70歳までは定年選択制にするとか、また、いま盛んに道州制が言われるが、戦略なき道州制はむしろ国家を破壊する。むしろ30万規模の地域拠点をつくり、中央と地方が連携して、地域再生戦略を考えるべきである。農協や漁業組合は株式会社化すべきである。瀬戸内海などは巨大な養殖場にしたらどうか。日本の優秀な食文化を海外へ輸出普及すべきである等々、目の覚めるお話で、一同感銘し、その後の質疑応答も盛んでした。