平成21年9月18日(金)

中国 大動乱の時代!

石平先生

石 平(せき へい)先生

  早稲田大学大学院・アジア太平洋研究科教授


講話概要

 中国は歴史的に動乱と安定を繰り返してきた。天安門事件で共産党政権を支えるイデオロギーが崩壊した時、ケ小平は、経済自由化と反日教育を中心とした愛国心教育による政権維持に努め、これを成功させた。その後20年で経済発展を遂げたが、その実態は、高い対外依存度に象徴される輸出と不動産投機に支えられたものであった。サブプライムショックにより4割の中小企業が倒産し、国民の6割は保険に入っておらず、医療費の高騰も問題となってゐる。
 中国政府は、金融緩和政策を採り、これによってマスコミは中国経済回復を喧伝しているが、これらの金も投機市場に回り、消費は拡大しないので長続きはしないと予測される。中国の場合、経済発展の退歩は、社会的大問題を引き起こす。なぜなら、経済成長中においても農村部では毎日のように暴動が起きていたのに、現在ですら2億人いるといわれる失業者が益々増大すれば、政府は暴動を抑えきれなくなり、国を揺るがす大動乱が起きるだろう。情報操作によって何とかこれを抑えている状態である、等々、大いに勉強になりました。

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