平成22年5月18日(火)

医療立国論
――崩壊する医療制度へ提言する!――

大村昭人先生

 帝京大学医学部名誉教授、帝京大学医療技術学部部長


講話概要

 医療・福祉・介護・年金等々、わが国の社会保障制度は、いま大改革を迫られております。妊産婦の病院たらい回しをはじめ、病院が成り立たず閉院され、入院しても数カ月で退院せねばならず、また、介護施設・人員も不足していて、なかなか入れず、結局、在宅介護となるが、子供たちも遠方だったり生活のため親の介護が出来ず、老老介護、さらには認認介護といった悲劇が日常見聞されます。こうした現状をいかに早く解決するかは、喫緊の課題であります。
 そこで、日本の大学ばかりでなくアメリカの病院にも勤務され、医学部教授ばかりではなく、臨床医の現場をも体験されている大村昭人先生に、御提言をいただきました。
 お話の要旨は、まず、日本の医療・社会保障制度の問題点を、6つほど挙げられ、それを順次洗い出す形で進められました。
 特に、大村昭人先生は、お若い時、アメリカの大学で助教授を勤められましただけに、アメリカやイギリスが、過去に、医療改革でいかに苦労したか、その具体例を挙げて説明をされ、そうした外国の例を踏まえて、日本の医療制度、いや、社会保障制度全般にわたっての改革を論じられましたので、大層参考になりました。その一例として、救急車は総務省、運び込まれる病院は厚生労働省、医師の養成教育は文部科学省、しかし卒業して医師となれば厚労省と、3省庁・4部局が係わり、しかも、それが縦割り行政である等々の御指摘は、なるほどと感銘深く拝聴しました。その後の意見交換も盛んでした。

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