平成22年2月8日(月) |
日本の国運にかかわる少子化問題について |
猪口邦子先生
政治学博士で前衆議院議員・初代少子化特命担当大臣
わが国の少子化現象は、由々しき状況です。近年の出生率が続けば、西暦3000年には、日本人はゼロになるといわれております。その対策として、昨今の報道では、外国から大いに移民を受け入れるべきだなどという論調も現れ、また、現に、農村その他で、外国からの花嫁が入ってきております。私どもは、この国際化時代で、外国人の流入を排除するものではありませんが、ここは、日本民族の存続のあり方を真剣に考えなければならない時だと思います。
そうした強い危機感を持ち、当団体内部に少子化対策検討分科会をおいて検討してきておりますが、今回はまず、乞われて衆議院議員となり、初代の少子化特命担当大臣をされた政治学博士(エール大学)猪口邦子先生にお話をうかがいました。
その要旨は、今の民主党政権は子育て手当といった一点豪華主義であるが、それでは、成果が期待できないと思う。自分が初代少子化特命担当大臣の時には、子育て家庭には、それぞれの事情があることに配慮し、多様な政策、すなわち40項目にわたるきめ細かい政策を立案した。その全部をここで取り上げる時間がないが、いくつか例を上げれば、出産費用の無料化、0歳〜1歳の子供を持つ女性には、勤務先を支援して、育児休暇が取れる制度を実現した。子供が小学校の低学年になると勤めを止める母親が多い。それは、学校が午前中で終わるが、学童保育に空きがなく入れないことを知り、学童保育の施設を増やすとともに、定年退職した社会経験者にお願いして、学童保育員になっていただき、補習授業もしていただくことを考えた。ともかく、その地域の子供は、その地域の大人が、地域の宝として育てるという考えを定着させる必要がある等々、感銘深いお話でした。