平成26年9月11日(木)

急変する韓半島情勢と現状打開策
──地政学的・戦略的な観点を中心に

コ・ヨンチョル先生

高永(コ・ヨンチョル)先生

拓殖大学客員研究員、元韓国国防省北韓分析官・国防相日本担当官

講話概要

 北朝鮮は以前から韓・日・米に対し、言動ばかりではなく武力による挑発を繰り返しているが、今年に入ってから、弾道ミサイルの発射回数は82発に及ぶ。その内訳は、射程550kmで韓国全域に届くスカッドが11発、射程1300kmで日本国内に届くノドンが2発、このノドンは東京まで7分50秒で達する。これら82発だけで推定費用は100億円といわれる。この他に、射程2000kmのテポドン1、射程4300kmのテポドン2があり、このテポドン2ならアメリカ東海岸まで届く。北朝鮮の狙いは、(1)国内の結束を高める。(2)権力基盤の強化。(3)日米韓中に対する瀬戸際外交の手段、と言えよう。
 大体、北朝鮮の気質は寒冷・山岳地形から、粘り強い高句麗気質で、北朝鮮人は、高句麗時代に、中国(隋と唐)の侵略を2回も撃退・壊滅させ、自分達は中国の属国となったこともないし、朝鮮戦争でもアメリカ軍と戦い、引き分けたと考えており、戦争で負けたことがないと自負している。その上、ミサイルと核を持った今の北朝鮮軍は、自分たちは強いと信じている。そこで、局地戦をやることが、逆に全面戦争への予防になると考えている。しかし、金正日が亡くなり、若い金正恩が、果たして軍を抑えきれるか、疑問がある。中国の韓国への接近もある。
 そのために、韓米同盟、日米同盟を一層強め、また、日韓関係も早く回復する必要がある。中国、ロシア、北朝鮮がいずれも、武器としてのミサイルと核を持っている以上、韓国と日本も抑止力として核を持つべきだ。せめて核兵器をつくる準備をするべきである、と話された。
ご案内状(pdf)

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