平成30年11月9日(金) |
企業の謝罪会見続発、日本企業は大丈夫か? |
橋本久義先生
政策研究大学院大学名誉教授、元通商産業省・工業技術院総括研究官
今年に入ってからでもSUBARUのデータ書き換え・検査不正、スルガ銀行の不正融資、KYBの免震装置データ改ざんなどが起きている。会見には必ずトップがでてきて、頭を下げている。こういう映像を頻繁に見ていると、日本の企業は大丈夫か? と心配になってくるのでは?
たとえば、2017年に起きた神戸製鋼所の品質管理の件についていうと、品質検査は30数項目あり、問題があるのはそのうちの4〜5箇所だった。それも品質からいうと97〜98%という数値で、昔ならお客と話をして「それくらいなら問題ないでしょう」となるレベルである。
直近のKYBの免震装置の場合は、「これぐらいなら安全だろう」というレベルの2倍の安全基準をそもそも設けており、それに対して98%なので、安全性に問題はない。
こうした詳しい内容をマスコミは伝えないし、企業側もとりたてて発表したりしない。「言い訳すると、余計に叩かれてしまうので、謝ってしまった方が早く騒ぎが治まるだろう」という計算があるからなのだ。
こうしたニュースは海外ではほとんど報道されていないし、内容を知れば、「何で、これくらいのことで、トップが出て謝ってるの?」という感覚。日本製品の信頼性の高さがむしろ印象付けられていると考えていい。だから、日本の信頼が失われる、という心配は無用である。
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