平成25年7月11日(木) |
昭和大恐慌を見事収めた高橋是清蔵相の事跡! |
若田部昌澄先生
早稲田大学政治経済学部教授アベノミクスに対しては、著名な経済学者・専門家から称賛の声が上がっている。昭和4年当時も、各国の為替の切り下げ競争と関税引き上げ競争が大恐慌を激化させた。高橋是清蔵相は、金本位(金に裏付けられた貨幣)制を止めて、日銀の協力を得て、金融緩和策をとり、その結果、1932〜35年の実質成長率は平均7.2%、インフレ率2%に抑え込むのに成功した。高橋蔵相の卓見は、デフレ策は、貨幣の値打ちが上がるので、汗水たらして働く人が報われないのに対し、インフレ策は努力して働く人が報われる世界だ。つまり、労力に対する報酬は、資本投資に対する分配額より有利にすべきだ、と喝破した点にある。その点でアベノミクスは正しい。しかし、金融緩和策はいずれ収束すべきなので、それをどこで引き締めに転ずるかが、むずかしいところだ、等々論ぜられ、大層勉強になり、質疑応答も盛んでした。