平成25年12月12日(木)

税と社会保障の一体化について!

田中慶司先生

田中慶司先生

前東京医科大学理事長、元厚生労働省健康局長

講話概要

  税と社会保障の一体化は、民主党政権時代に民主・自民・公明の各党によりその基本が合意されたが、政権交代後の安倍政権の進め方について、解説をお願いした。
 解説要旨は、まず、いま国民の関心の的となっている「消費税アップ」の必要性について、(1)歳出の半分が社会保障に当てられている。(2)国の予算の半分が国債で賄われている。(3)少子高齢化で今後も社会保障費は増加する。(4)働いて税金を納めている人と、社会保障を受ける人との比率が1対1に近くなり、財源が必要である。こうした事態をどう打開するかにつき、平成25年8月6日に社会保障制度改革国民会議の報告書が出され、これを受けて「社会保障プログラム法案」が秋の国会で成立した。「プログラム法」とは、国の目標や実現に向けた手順などを規定する法律である。そこには、a、70〜74歳の医療費窓口負担を現行の1割から2割に引き上げる。b、医療費負担の上限を、低所得者には配慮する一方、高額所得者には高く設定する。c、障害が軽度の人の介護は、国ではなく、地方自治体に委ねる。d、特別養護老人ホームへ軽度者は入れず高度者のみとする等々、給付の伸びが大きい医療・介護分野で抑制策(支出削減)を採っている。そして、その実現の具体策として、(1)地域包括システム。(2)地域医療ビジョン策定。(3)医療従事者の業務の見直し。等々について、その内容を詳述された。出席者からも、直接関係する問題だけに、その後の質疑応答・意見交換も盛んだった。

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