平成25年11月20日(水)

地球温暖化と異常気象について!

住明正先生

住明正先生

(独法)国立環境研究所理事長、
元東大気候システム研究センター教授


講話概要

 世間では「異常」気象というが、学問の世界では、異常気象とは「同じ場所で、30年に1度程度起きる現象」と定義付けられている。しかし、日本が猛暑となったのは今年ばかりではなく、1998年や2003年にも同じパターンであったので、「異常」気象ではなく、言えば「極端」現象である。地球温暖化という言葉も簡単に使われているが、(1)気温の高い年や低い年のバラツキがあるので、長期的視点で観察すること。(2)日本の気温だけで考えるのではなく、地球全体で考える必要、がある。すると2000年以降の全地球の平均気温は、1961年〜1999年の平均気温と比べ、この15年ほどで0.5%上昇しているので、「地球温暖化」は現実の問題として存在する。
 「地球温暖化」の原因は何か、それは、温度というエネルギーであり、これが大気を動かしている。海水が太陽熱によって暖められ、水蒸気となって上昇すると、上空で水滴に変わる。その凝結熱によりさらに高く上がって積乱雲となる。したがって、エルニーニョの生ずる場所によっても、気候はその影響を受ける。また、人類は産業化するにつれてCOを排出する。COは、地球から宇宙へエネルギーを放出するのを妨げる働きをするので、その結果、地球の温度が上がると考えられ、この対策が急がれる等々熱心に話され、質疑応答も盛んであった。

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