平成17年12月8日(木)

我が国のエネルギー問題、どう対処するか
―― 石油資源はもはやピークだ ――

芦田譲先生

 芦田譲先生

京都大学大学院工学研究科教授、エネルギー問題の権威


講話概要

 エネルギー問題は、国際的にも極めて重要な段階に来ております。それは、20世紀から今日まで、世界のエネルギーを支えてきた石油資源がすでにピークを迎え減少に向かうからです。それだけに、世界の国々は、石油資源をいかに確保するかで、その争奪戦が始まっております。
 特に、近年、巨大な人口を抱えながら、急速に近代化してきた中国やインドが積極的に石油争奪戦に参加しており、アメリカなど先進諸国との間に軋轢を生じてきております。
 また、中国は、新鋭の海底資源探査船を12隻も持ち、我が国の領海内をも探査しており、現に我が国の領土である尖閣諸島周辺で、海底石油・天然ガスの採掘にとりかかっております。かくして、我が国にとっても石油資源の獲得は喫緊な課題です。そこで今回は、この方面の権威であり、経済産業省「国内石油・天然ガス調査会」委員長の、芦田譲先生に、分かりやすく、エネルギー問題のご解説をいただくことにしました。
 そのお話は、20世紀は主として石油資源に頼って繁栄してきたが、いまや地球埋蔵の石油資源はピークに達しており、向後、生産量は毎年4〜6%減っていく見通しである。そこで、日本としても、日本領海内で早急に石油・天然ガスなどの開発に取りかかる必要があるとともに、新しいエネルギー源の開発に努める必要がある。ただ、現在、次世代エネルギーといわれるオイルサンドとかメタンハイドレートとか水素エネルギーなどがあるが、いまのところ、いずれもコスト高である。したがって、これら新エネルギーをいかにコストを安く開発するかが、これからの課題である等々、わかりやすい資料をもとに、御解説下さり、大層勉強になり、当団体も、積極的にこの問題に取り組むことになりました。

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