平成29年10月13日(金)

分極世界における日本の選択!

高橋利行先生

高橋利行先生

政治評論家、
元読売新聞東京本社論説委員・編集局次長・監査委員長


講話概要

 今回の選挙は、今後の日本の動きを決める大きな意義がある。世界には分極化とポピュリズムの波が押し寄せているからだ。イギリスのEU離脱、フランスをはじめとする移民反対派の躍進、カタルーニャやスコットランド独立運動などが分極化の波である。これは同時にポピュリズムの波だともいえる。ポピュリズムとは、大衆の利益・願望・不安・恐れなどを利用して、大衆の支持の下に腐敗した既存のエリートと対決しようとする思想で、敵をつくり、単純なスローガンを連呼するのが最大の特徴だ。都議選の結果も、例えば都議会のドンなどを敵とみなし、それらに対抗するための改革を連呼していたことから、ポピュリズム選挙の典型例だったといえる。
アメリカは内向きの政策を打ち出し、世界の警察であることをやめる動きになっている。湾岸戦争あたりまでは戦費を供出していれば済んだが、今の日本の周辺諸国の情勢を鑑みれば、もはや自国の防衛をすべてアメリカに依存するというわけにはいかない。
それが今回の選挙が今後の日本の動きを決めるという意味だ。第1回の世論調査の結果では自公政権圧勝との予測である。無党派層の動向は読めないが、昔ほど揺り戻しの効果は働かなくなり、若者層も保守化の傾向があるので、自公の勝敗ラインは超え、安倍政権は継続すると予想する、ただ、これから先は政策によって連立の枠組みが変わっていくこともありうる。
ご案内状(pdf)  

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