平成31年3月28日(木) |
軍事的視点で読み解く米中経済戦争! |
福山 隆先生
戦略研究家、防衛大卒、 陸上自衛隊西部方面総監部幕僚長・陸将
米中の勢力争いは地球を二分する様相を呈している。戦前の昭和15年、当時、石原莞爾という将軍がいて、将来、日本と米国は、地球上の支配を争う「世界最終戦争」を起こす。その時の戦争は、線と線(部隊衝突)から、面と面(大軍の衝突)、立体と立体(航空戦、ミサイル、核攻撃)と進化して、最後は4次元の戦い(電波などによるサイバー戦争)になる、と予言した。それを日本に代わり、中国が躍り出ていると言える。軍部きっての戦略家・石原莞爾も東条英機と衝突し、陸軍中将で退役している。そうした次元の戦争は兵器によるばかりでなく、貿易戦争、経済戦争を含む国家総力戦である。また戦争を起こすのはマキャベリスト(権謀術数)の指導者であり、トランプも習近平もそうだ。さらに、戦略家マハンの「海洋を制するものは世界を制す」の言葉、地勢学の開祖マッキンダーの「大陸を制するものは世界を制す」の言葉を挙げ、米中はいまその鬩ぎ合いだとし、続いて、ハーバードなどで学んだアメリカの戦略論の一端をいろいろと説明され、大層勉強になった。日本では、第九条で戦争放棄したからと、戦略論・戦術論の研究をすると学会から猛攻撃を受け出来ないが、この日本の姿勢は国を滅ぼすことになる、と暗澹たる思いに陥った。(清原記)
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