令和元年10月8日(火) |
金正恩体制の政治・経済・社会・国際関係! |
礒崎敦仁先生
朝鮮半島情勢研究者、慶応義塾大学准教授
北朝鮮は本年9月9日で建国71年を迎えた。ソ連が創立後69年で崩壊したのに比べより長い。2011年11月に父・金正日死亡後、長老中心の集団指導体制になると予測されたがそうならず、金正恩体制が確立している。
その理由は何か? その一つとして、北朝鮮には政府による『労働新聞』が発行されており、国民はこれを読むことを義務付けられている。あらゆる職場で朝20分間、その主要記事の読み上げを行っており、金正恩・党中央のビジョン・主体(チュチェ)思想の普及が徹底している。核・ミサイル開発は、国威発揚もあるが、北は「米国へ届く核ミサイルを持てば、米国は攻撃してこない」と考えている。トランプ大統領と2回会談し、この10月5日にストックホルムで米朝実務者協議が行われ、北側は決裂と発表したが、よりよい条件を引き出すギリギリの交渉術だ。米・日・仏は北朝鮮と国交がないが、北は160ヵ国と国交をもっており、経済制裁も痛くない。拉致問題は北が悪いのは当然だが、2002年に小泉総理に拉致被害者を引渡す際、国交樹立をする約束をしたのに、いまだ国交が樹立されてないことで、北は日本に不信感をもっている。(清原記)
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